じんましん

 高熱で寝込んだ翌日、部分的に蕁麻疹が出た。体はガタガタだし極端にかゆくもないし一時的なものかもしれないし、何しろまだ熱が38.5度あって身動きが取れないので様子を見る。が、さらに翌日には全身に回っていた。あと半日くらい様子を見れば引くかと悪あがきしてみたが逆に進行しているくらいで、熱も37度代まで下がっていたので観念して風呂に入って皮膚科へ行くことにした。
「2番診察室へどうぞ」
あーい。
がらがら。
「おねがいしまーす」
「そちらに掛けてお待ちください」
看護士さんに言われるままに先生の前のいすに座り、カルテを記入している様子をぼーっと眺める。もちろん内容なんてわからない。
……。
女医さんですか。
 刑部絃子でも霧島聖でも各自お好きなイメージで。いやほらイメージだから医師とか別に。ところでクレア・フォートランは医師免許持ってたっけ? でも本職は設計のはずだし。あすかの方だったかな。記憶があやふやでとほり。
 こちらの番になり、腕をまくって見せつつ、問診の後、指示が飛ぶ。
「そこのベッドで上全部脱いで」
「ぇ」
「脱がなければ患部が見られないだろう、国崎君」
見るのにメスはいらないんじゃないか……。
「次は下だ」
ぅー。
「よし、着ていいぞ。全身に出てるな」
ぬー。
 せかせかと服を着ていたら、先生が薬の資料らしき本をぱらぱらめくって見せてくれた。問診で話した中で最も怪しいというかほぼそいつが犯人っぽい薬のところ。
「○○はこんなに症状が出るんだ。4ページもあるぞ。例えばほら、こっちの薬はたったこれだけで終わりだ」
片や4ページ、片や数行。ううむ。
 その後採血や注射やらされつつ、同時にぽつぽつ答えたり質問したり。
んでもその薬は飲み始めて2週間近く経つんですけど、そういうタイミングでも出るんですか?
「2週間でも1カ月でも、アレルギーというのはいつでも出る」
「原因はほぼ薬だから、飲まずに済めばいいんだが」
たぶん代わりの薬があると思いますから今度行った時に相談してみます。
「んー、それがなかなかないんだよねー」
自然に答えられたり、ちょっとだけ聞いてみようかなという気にさせる雰囲気はベテラン女医ならではだろうか。看護士さんも血管に一発で決めてくれたし、またお世話になるとしたらここがいいな。とはいえ症状としてはきついのでそういう意味ではお世話になりたくないが。
 このところ意識して支出を減らしていたのに、医療費が余裕で相殺してマイナスにしていったわけだが。カードが使えればまだましなのになぁ。