げんしけん

 なるほど、この作品はオタク用リトマス試験紙か。読ませてみて青く反応すればオタクであると推定できる。ただし、pH8.0程度の軽いオタクかpH14級の重症かは別の話というわけだ。
 もしオタクを識別して捕らえる必要がある社会になったとしても、リベリオンのように識別できる特殊能力を持った人間を街頭に立たせて「あれ」「あいつ」などと指差してチェックするまでもなく、職質の精鋭部隊がパトカーで目を光らせる必要もなく、げんしけんを読ませれば一発でわかるのだ。何と恐ろしい話であろう。
 アニメになったとか面白いマンガがあるといった話はチラッと聞いていたのだが、幸か不幸かほぼ予備知識ゼロでげんしけん1-5巻を読むことができた。うむ、げんしけんは面白い。ただ、ここのようにオタクな話が出るのが前提の場所ならともかく、一般社会で「面白いですよねげんしけん」などと発言するのは多少の覚悟が必要かもしれない。一歩間違えばカミングアウトだし。
 因みに、アニメの事もさっぱりだったために5巻を読み終わってからキャストを確認してたいそう悔しい思いをした。うちはUHFがまともに入らないんじゃよ。
 と、うっかり余計なことを書く前にネタバレ防止いっとこう。
 パソコン通信の頃はネタバレ改行だったし、htmlが使える環境になってからは背景色と同じ色にして反転して読むようにする方法も出てきたけど、bloglinesやRSSリーダーを使うとそのまま読めることもあるのが困ったところ。weblog的には「続きを読む」を使うこともできるけど、書く側としては普段Entryの新規作成画面で Extended フィールドを表示していないので変更するのが面倒だという点、トップページでは効果があってもアーカイブではそのまま表示されてしまう点、読む側としては「続きを読む」をクリックするのが面倒だという点などから、たまに使うことはあるものの毎回やる気にはなかなかなれない。
 というわけでネタバレありそうですよと書いた上で当たり障りのない文章を挟みつつamazon associateを入れてみたりする。

げんしけん 5 (5)
げんしけん 5 (5)

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木尾 士目
講談社 (2004/11/22)
売り上げランキング: 1,660
通常24時間以内に発送

6巻は6月発売とか。
げんしけん (1) げんしけん 2 (2) げんしけん 3 (3) げんしけん 4 (4)
 さて、当局から狙われる身ともなれば我々オタクは地下に潜って戦わねばならん。オタクとしての厳しい訓練を受けるのだ。万が一捕まってポリグラフ検査にかけられようとも、涼しい顔で検査官からの質問を全てクリアしなくてはならない。いやしかし、オタクが処罰対象になってるとなるとオタク方面に精通した検査官の確保が難しいだろうから、単に機械につないでげんしけんを読ませるだけかもしれんな。でもこれじゃ一般人が関係ないところに反応して冤罪大発生のぐだぐだになりそうだからやっぱナシ。厳重に隔離された施設で養成された腕利きの検査官を派遣してもらうことにしよう。これでバランスがよかろう。
 例えば現視研メンバーをこのオタクポリグラフ検査にかければ、笹原は速攻で自滅するし、コーサカや咲ちゃんはあっさりクリアするだろうし、斑目は順調だったにもかかわらず4巻の律子・キューベル・ケッテンクラートで動揺して発覚すると。
 という話はこのくらいにして。
 木尾士目作品を読んだ順番が「四年生」→「五年生」1→「げんしけん」1-5→「五年生」2-5という変なことになってしまったために正直何がなにやらわからない部分があるのはともかく、げんしけんはよい。pH7前後のニュートラルな層からヘビーなオタク層まで楽しめるんではあるまいか。各キャラのプロフィールでパロディーにされてる元ネタを推測してみたり、わくわく7はいい作品だったと賛同してみたり、本編で大野さんのコスプレは何だろうと期待してたら紗夢で、即座にGGXのBGMや小森まなみの声が聞こえてきたり。名前は変えてあるけどこのイベントは冬コミだろうなぁとか、「でもまあ二月頃よかマシだよ」という田中が参加してるのはワンフェスだろうし。「とりあえず小牧が多村よかりなのは決定みたいで」ってそんな名前の声優は一人しかいねぇー、などなど。
 オタク分野に限らず、元ネタ探しは面白い。
 さて、げんしけんには個性豊かなキャラクターが登場するわけだが、どれが一押しか選ぼうとすると非常に迷う。声が付くとまた激しく変動しそうではありつつ、ここは斑目に一票入れておこう。斑目だからな! 斑目イズムを炸裂させたり言いたい事は言う一方、田中が切れそうになっているのを察知してさっとフォローを入れられるような一面も持つ。真・オタクの班目と正真正銘一般人の春日部さんの組み合わせも面白い。どちらもげんしけんには欠かせないキャラでもあり。春日部さんときたらヤンキーだし殴るし1話から登場してるし。ファンとしては1話で出てきたコーサカに合わせたタイプの服をまた見てみたくもあるのだが無理?
 大野さん。
「おっぱいが嫌いな男子なんていません!」
「……それは私も入ってるの?」
黒髪でロングでおっぱいが大きくてコスプレ好きでオヤジ趣味の帰国子女というやりすぎの設定には数人がかりで「マジか?」と突っ込むべきであろうか。おっぱいキャラの宿命としてか、コスプレしている場面ではいつも力が入ってはいるが、力の入りっぷりでは咲ちゃんの会長コスの時も負けていない。とりあえず五年生連載当時におっぱいに目覚めた木尾士目先生に拍手しておこう。
 高坂。本人は自覚していないだろうが、結果として笹原をオタクの道に走らせる面で大きな影響を与えた強力な存在。そこには意思など必要ない。ただただ自然で、オタクで、女の子に優しくて、ゲーマーで、強くて、女装コスばっちこいで、何よその脚線美で、そこに存在するだけでひょっとしてコーサカってオタクじゃないんじゃないのかと周囲に疑わせずにはいられない恐ろしい男。
 田中。スクランの今鳥と違って本物の眼力を持つ。衣装作成にかけては女性陣も驚きの腕前らしい。普段は穏やかだが趣味のことを語らせると熱いし、笹原には同人誌の買い方についてレクチャーしてみたりする。
 まあそんなところで。ダメか。うーん、久我山、声が聞き取りにくいとかの問題じゃなくてただ声が小さすぎて聞こえないだけって場合もあるんだよなぁ……。初代会長は無敵。荻上みたいなキャラも結構好き。朽木に関してはノーコメント。
 他には、読んでて「ぐわーオタクの生態をそんなに詳しく描かないでくれー」とのた打ち回りそうにもなった。何かしらこの不思議な感覚。
 そうそう、
げんしけん占い
斑目だった。うーむ。
 それにしても、五年生とげんしけんの間、木尾士目にいったい何があったのであろうか……。
 などとつぶやきつつ6月を待つのであった。げんしけん面白い。まだの人はぜひ。