まずは手順を説明しよう。
「Dレンジで走行」
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「前方の信号が赤で、停止している車両があるのでアクセルを抜く」
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「自動的に右足はブレーキの構えへ」
↓
「ブレーキングのタイミングなのでペダルを踏む」
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「加速する」
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「おっとアクセルじゃない、間違えた」
↓
「今度こそブレーキを踏む」
↓
「普通に止まる」
これだけなのだ。人間は勘違いをするので、「右足がブレーキの構えの位置にある」と思って踏んだらアクセルだった。加速したらおかしいからブレーキに踏み換える。今の車に乗って9年目になるが、こんなボケは過去にさかのぼってもしたことがない。とりわけ、MT車はアクセルを抜いたらエンジンブレーキが効くからエラーとして発生しにくいのではないか。間違えた私が言っても説得力がないのだが、MT車は確実に「運転しているモード」じゃないとダメなのだ。
仕事柄、2トンや4トンのMT車を動かす機会があるが、始動はニュートラルにしてクラッチ切ってやるし、半クラッチの感覚はタコメーターを見ながら合わせる。ミートしたらアクセルコントロールでいけるし。このあたりは、MTターボ車でさんざん走り倒した、「4,000rpm以上を維持すればスロットル踏んだ瞬間にブーストがかかる」というノウハウを存分に……活用してないやごめんなさい。ディーゼルエンジンだから低回転からトルクがかかって面白いんだ。
今回のヒヤリハット事例は貴重な経験をくれた。
アクセルとブレーキの踏み間違いって、誰にでもありうるんだ。
事故を起こしていたら重大インシデントにつながる流れ、ヒヤリハットは「こういう危ないことがあったからみんなで情報共有して気をつけよう」といったところだ。
実は、AT車が普及し始めた頃にある自動車評論家が書いていた。私は免許を持っていなかったけど、好きで読んでたんだよね。
「(DレンジまたはRレンジに入れたら、)タイヤが1回転するまでクリープ現象だけで動け」
その通りだよ、徳大寺さん。
こういう事例があるということ。みんなで気をつけよう。